私も教職課程6年制については同様のことを周囲に言っていた。
教職課程を6年制にすることは専門性を高める上でも重要である。我が師である中澤興起の言葉を借りれば、『生徒の前に立てば、10年やっている奴だろうが、1日目の奴だろうがプロでなければならない』からである。それは、生徒から見れば"先生"であり、甘えは許されないということである。
そういった観点から基本的には賛成したいところではあるが以下の点が気になる。
「新制度の核になるのは全国24校の教職大学院」
現行の教職大学院を核としたところで、養成されるのが、小学校および主要五科目を担当する中学・高校の教員志望者のみであることを鑑みると、「教職を志すものの専門性を高める」といった点では教職を目指す者全体をカバーできないことになる。
理論と実践の融合的側面から見れば、学校のmissionである『生きる力の養成』のひとつ、"社会人育成"は専門教科の教員養成課程が担当している。
この点から言えば、主要五科目以外の専門科目志望者からすると現在の教職大学院には何のメリットもなく、"ただの箱"にすぎない。
「47都道府県に教職大学院を最低1校設置」
これは普通に考えて、国立大学法人の大学(旧国立大学)への教職大学院設置ということになるだろう。無論、当たり前のようにそうなれば、納得できる話ではない。
このままいけば、"発展的解消"なんてカッコイイ言葉を並べられ、私立大学における教員養成課程はぶっ潰されるだろう。
なんだか自民党も民主党も一緒な気がしてならない。
もし6年制にするのであれば、例えば、
- 学部4年間で教職科目をガッツリ
- 修士1年目前半で半年間の企業実習
- 修士1年目後半から1年間の教育実習
- 修士2年目前半からは実習期間中に大学で理論系もやる
(このあたりで教員採用試験となる) - 修士2年目後半はガッツリ修士論文作成に充てる
といったことが挙げられる。
要するに、理論系+実践(企業実習・教育実習の両方)はやってほしいところである。
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