サービスには、機能的サービスと情緒的サービスという二つの側面がある(前田1989)。機能的サービスは客観的に認められる便益を供与することであり、サービスの「あり」「なし」を判定しうる側面であるという。これに対して、情緒的サービスとは個々人の受け取り方によって感じ方や評価が異なってくる「便益の提供の仕方」や「やりかた」のことで、個人差のある側面である。サービスが「よい」「悪い」という評価は、「機能的な側面と情緒的な側面とが組み合わされて便益の供与がなされる場合」にだけ成立するのであり、機能的サービスが中心であれば評価は「便利・不便」の次元となり、情緒的サービスの比重が大きいほど個人差の大きい総合評価となるという。そして、この組み合わせの程度は業種によって規定され、より本質的には同じ業種でも「どのような形で誰に対して」提供するのかというサービスの性格によって異なるという。
(参考:[1]日本労働研究機構「サービス経済化の進展と雇用・就業構造の変化」プロジェクト『職業としてのサービス』調査研究報告書,No.62,1995年、[2]前田勇『実践サービスマネジメント』日本能率協会,1989年)
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