現在、日常的に使用している"business"という言葉の語源(由来)は大きく二つに集約できる。
"bisignis"(苦労・孤独)から"bissinesse"(多忙)を経て、"business"(職業・仕事)になったと言われる(参考:吉沢典男・石綿敏雄「外来語の語源」角川書店)。一方で、多忙を意味する"busy"の名詞形(~ness)である"busyness"に由来しているとも言われている。
"business"の狭義解釈
日本における"business"は、(1)商談、商取引、売買などの"商売"を表す"business"、(2)仕事や職業、業務などを表す"business"、(3)商業活動や経済活動全般を表す"business"など、さまざまなパターンで使用されているが、よく使用されている"business"は、狭義の"business"として、営利企業における経済行為(商行為)を表す用語として使用されている。
"business"の広義解釈
しかしながら、日本における"business"の使用パターンを鑑みた場合、狭義の"business"ではなく、広義の"business"として解釈する必要がある。広義の"business"は、営利企業のみならず、非営利企業まで含み、その組織形態を問わない。要するに、「事業目的を実現するための活動の総体」を指すのが広義の"business"である。従って、狭義の"business"の主体であった、株式会社、合資会社、合名会社、合同会社、有限会社などの営利企業だけではなく、非営利活動法人(NPO)や市民活動団体、行政組織なども広義の"business"における主体として扱われる。